出典や情報源を確認したい

いろんな情報があふれる日々で、自分自身とても気をつけていることについて。
ドラマも、動画も、SNSも、人から聞いた話も。

情報源を見て、信じるか信じないか、自分で決める。自分のものさしを持っていたいと言う話です。

(以下、長くなります。)
朝ドラのあんぱん、みていますか?
子どもの時も、子育ての時も、アンパンマンとやなせたかしさんの言葉に、どれだけ助けてもらったことか。登場人物とキャラクターの重なりも楽しく見ています。なので、この意見はドラマを批判するものではありません。ただ、ドラマなどを見る時、フィクションであることは意識しないといけないと思うのです。

先週の金曜、たかしが出征するシーン。
心に気持ちを抑えて何も言わず、涙をこらえて送ろうとする育ての伯母と、「死んだらダメよ。たかし、いいこと、絶対に帰ってきなさい。生きて生きて帰ってきなさい。」と、このご時世、決して口にできなかった言葉をさけび、涙しながら伝える実母。

対象的で、どちらにも愛があり、確かにとても感動的でした。
ただその後、教師である主人公ののぶが「嵩、お母さんのために、生きてもってき(戻ってこい)」と言うセリフや、実母とのぶが憲兵に連行されそうになったけど、嵩のフォローで事なきを得たことも含めて、
そのあたり、正直とても違和感が残りました。

1941年、戦時、公衆の面前でそんなことを言って、連行されずに本当に済んだだろうか。のぶの様な言葉を言った教師が、仕事をそのまま何の咎めもなく続けられたのだろうか。

気になりすぎて、写真にあるやなせたかしさん関連の本を確かめてみました。
あんぱんがおおむね史実に基づいていることや実母との関係性など、ありのままに感じられました。

出征の時のことは書いてありますが、ドラマのような場面の記述、実母が連行されたか否かの記述は見つけられませんでした。
親戚の方々が心配している様子は書かれていました。

以下引用

後免町では嵩の親類の人たちが集まって、こんなことを話し合っていた。
「だいたい、あの嵩ちゃんが軍隊の訓練に耐えられるはずがない」
「やさしい性格なのに、ときどき変に意固地になるから、上官からも嫌われるんじゃないか」
「脱走して高知に逃げてくるかもしれない。脱走はとんでもない重罪だ。そうなったらどうやって助ければいいんだろう」
みんな真剣に心配し、涙ぐむ人もいた。

(出典 梯久美子『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく』文藝春秋 

少しですが情報を確認して、自分としては今回のドラマの出征シーンは、史実に基づいた上での演出だと考えました。

戦時、きっと多くのお母さんが、ドラマの中での、嵩の実母のようにさけびたかったことだろうと思います。私の子どもを戦争に行かせないで、行かないで、死なないで、生きて帰ってきてと。たくましく送り出してしまったことを、戦後に後悔し続けたお母さんたちもいたでしょう。

そのさまざまな立場や事実を知りたいと思います。
分野に関わらず、真偽さまざまな情報が飛び交う今です。気軽に検索で確かめられるからこそ、本当のことは手間をかけて、探していく姿勢は忘れずにいたいです。

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